2011年9月23日金曜日

終戦物語 足蹴にされた所持品

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南支広東省    岡山県   沢坂 実男

終戦時、南支派遣軍第180平坦病院を広東市に開設し、戦傷病兵の診療看護に当たっていた「当時陸軍衛生大尉にて庶務主任」傷病兵を空襲より守る為、昼夜の別なく濠を掘っていた我々は、敗戦と聴き、悲しみと残念さにうちしがれ、じっと蟻をみっめていた。国旗を辱められないため、軍事機密書類と供に夕暮れをまって大珠河岸にて焼き捨てた、武装解除、私物検査、めぼしき物の押収により、足蹴にされた所持品を涙とともに集めた。

リラの道 足蹴の戒衣反転す

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引用元    「昭和万葉俳句前書集」 【高木 二朗発行】

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