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大阪府 北村 清一
「友の衰弱死」
我が意志も声も体も草木と枯れて消え行くシベリヤの友
「死刑されるか」
重責に深夜の穴へ右左火をふく銃で止まれと声が
「友の死」
海征かば山征かばともシベリヤは消え行く友の声ぞ無情な
「左手骨折夜間指揮官として」
死ぬか十人はたまた我がヤレと令「グチツ」と我が手折れて受け止む
「遅配のバンを待つ」
凍る夜の深夜の二時になほ
待ちてパンを引くソリにのど鳴らしつつ
「度たび春は来れど帰国出来ない」
身は凍る夜の作業も四ツ年せお亦来る春に枯る、想いは
「四ケ年シベリヤで冬季夜間作業の指揮官として太陽を見ずに一年の内七ケ月を過ごす」
傷付けず祖国に帰す重き任務は凍りつつ夜の指揮する
*************ここまで続く************
引用元 「シベリヤ抑留体験記永恨の爪跡」 《城田 敬助発行》
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