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フイリッピン-ルソン島 北海道 太田 信義
ルソン島山中にて、何日も続いた砲撃がピタリと止んで半月も過ぎた頃、日の丸鮮やかなトンボ飛行機からの通信筒が終戦を知らせてくれた。それまでの間、山中では乏しい食料を食い繋ぐが精いっぱい、湯飲茶碗一杯の米に雑草の若葉を混ぜて、日没を待ち、集めた古木でお粥にし、翌日の三食に充てる日が続いた。
灼熱下 マラリヤの友に経を読む
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カンボジアにて 東京都 洗居 三男
空の先駆けたわむらと、共に誓い励まし合った仲間達が幽明を異にして、今日この日「終戦」を迎え様とは、灼熱の空せ血に染めて幾千の将兵が散華した激戦の「ビルマ」から、仏印プノンペン飛行場への転身を余儀なされ同地で終戦となる。元陸軍航空兵。
幾千の魂魄真白灼くる空
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引用元 「昭和万葉俳句前書集」 【高木 二朗発行】
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