2011年10月16日日曜日

終戦物語 本隊から孤立し

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蒙古  東京都   的場 武治

保定幹部候補生十三期「内地の予備仕官学校に相当」生、ソ連参戦によりきゅうきよ布定市をさり、八達嶺から蒙古の山中に入り、張家口から侵入するソ連軍遊撃の為谷あいに散開して陣地構築中、終戦となる。約40名「一区隊」本体から孤立し、状況の和からぬまま徹底抗戦、玉砕、自決、浮虜の覚悟あるいわ自重論など様々で、一日一日が深刻な対決を迫られていた。

音信「おと」絶えて方丈の土塁日章旗「はた」降す


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アンダマン諸島     東京都     梅澤 和記男

印度洋アンダマン諸島のポートデレアにて、独立混成部隊の一員として終戦日を迎う、北支よりの
本隊【楓部隊 】は南支那海において敵潜水艦により撃沈され、全滅と聞く。

空に書く 妻子への文遠銀河

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インドネシヤ・セラム島  群馬県  中澤 文次郎


濠北方方面参謀部通信調査隊隊員として、当時セラム島にありて、時に甘蔗作りなどせり、終戦前夜此の島玉砕との情報もいりて、我等死を決意せり、しかるにこの終戦報に接し、血涙とめどなし、往時既に茫々


椰子炎えて 涙の煮ゆる孤島かな

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引用元  「昭和万葉俳句前書集」   【高木 二朗発行】

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