2012年1月24日火曜日

終戦物語指揮者の義務

*************ここから************
長崎県    徳富 悦郎 

スマトラ島ランポン州テロクベトンでの南方、スンゲイドァ、サカ地区の密林の中、油田防衛の照空第一分隊長として軍務に付いていた。8月17日の夜半だつた。本部集合の迎えのトラックに打ち乗り、中隊本部に急いだ。
内容は分からない、おそらく前進展開の命令と思い、部下の人々には、完全軍装の準備など怠らないよう指示して行ったものだったが。

本部で聴かされたものは、終戦の大詔が下った要旨だった。一瞬自決を考えた。その時中隊長は、そんな様子を見抜いたか、お前一人の事でない、
陣地に帰って部下の人々に戸惑いないよう説明し、皆な詔どおり全員祖国に帰れる要にするのが指揮者の義務だ、と注意された。帰りの足は重かった。

密林は明けたに兵らは足なえて

引用元 「昭和万葉俳句前書集」  【高木 二郎発行】
****************ここまて゛********


0 件のコメント:

コメントを投稿