2011年10月2日日曜日

終戦物語 鉢巻きに毒を秘めて

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北部満州  栃木県   荒井 菊江

旧満州国北安街にて、警視庁内菊水通信隊へ、電電会社より応援の為、電話交換手として勤務中、終戦となる。決死の鉢巻きに毒を秘めていた女子隊員もいたが、私達は最後の刻のため、町へ石けんと剃刀を買いにいった、帰り一兵より米を頂いたが、子供連れの方にあげてしまう。死を刻々と見つめ、友と水で髪を洗った。剃刀は守り刀として。

我もまた 明日の糧なし敗戦日

西部満州  宮崎県  細川 雅尊

元満州国空軍特別攻撃隊にて、来襲するb29を数度にわたり迎撃。しかるに、8月9日、不可侵条約を無視したソ軍の侵攻により、終戦の詔勅に万解の涙を呑む暇も無く、身は捕虜、妻子を戦野に曝すも、奇しくも生還を得た経験は、筆跡に尽くし難きものあり。

終戦の 空よ崩るる雲の峰


西部満州  兵庫県  天谷 輝久

終戦当日、私は15歳。満州開拓青年義勇隊員として、満州国北安省海倫県海北鎮街におりました。伝令が飛び、終戦をしりました。暑い日でした。暴徒と化した現地人は付近の開拓団を襲撃しました。終生忘れ得ません。

孤立せし 団攻めたてる土匪群

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引用元   「昭和万葉俳句前書集」   【高木 二朗発行 

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