2011年11月25日金曜日

終戦物語 焦土と化した現世とは思えない

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山口県    板谷 政典

下関の造船所で、海軍の将兵らと人間魚雷を製作中、敗戦にと同時に人間魚雷を開門海峡にしずめにいったまま、帰らず人となった若き海軍の下士官等が痛ましい。

炎天下 人間魚雷 沈め逝く


山口県   後藤 いそ子


21歳青春盛りの終戦日でした。友達となけなしの毛糸を出し合って特攻人形を作り、中乃町の暁部隊に届けたり、夜ごとの空襲警報に、モンペの奥をぞろぞろと虱が這い回ったり、妙にしんかんとした静かな終戦の昼の空でした。いびり大豆を食べ過ぎて腹が下り、ソ連兵が上陸する噂にもがいた物です。

雑貨屋の跡の大穴終戦日

山口県   斉藤 美智子

山口県三隅町で終戦。連隊旗手の夫が軍旗を焼いて戻った日、自決も考えて拳銃の使い方を習う。其の夜、広島から無傷で帰隊した将校が一夜で死亡。童貞で征つた弟は、一片の骨も無いままついに戻らず。命得手複雑な涙を流した日でした。

恋もせで 征きし弟青林檎

山口県   前田 律子

当時、私わ主人の徴用令により、山口県光市に住んでおりました、沖には回転基地、街には海軍工廠がありました。工廠が爆撃されて幾百人もの人が犠牲になったのは、終戦の前日の事です。翌15日に終戦の玉音を拝聴した後、海にでて痛切な黙祷をささげました。

砂に残る 幼き手型終戦日

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引用元 [昭和万葉俳句前書集」  (高木 二郎発行)

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