*************** ここから*************
.ルソン島にて 茨城県 新井 関乃助
ルソン島東海岸をほう徨していた。至る所に日本兵の死体が転がっていた 。
軍服を着たまま白骨化している腐りかかった死体には、宿借りが群がって
いた。明日は我が身、俊寛僧都さながら海草を、宿借りを求めてさまよって
いた。
友の腐肉 食うやどかりをくらいけり
*******************************
比島呂宋島山嶽州アシン谷に在り 東京都 木下 和信
尚武軍司令部は比島呂島山嶽州アシン谷に在り。地獄谷といわる。軍指令
官山下泰文大将、最後の策を講じつつありき。私は参謀附少尉。その日、
日直将校。夜9時頃か、松明を掲ぐ特情、伊藤、吉岡大尉,暗闇を衝き大
詔の報告に来る。
最後の策 大詔に止む山下兵団
******************************
ラバウルで孤立 愛知県 寺西 金一
孤立したラバウルの海軍253空零戦隊の基地に、いつか再び精鋭の飛行を信じ
て、薯作りに励む上等整備兵曹の惨めな勇姿。敗れし朝、星のマークの敵機が
乱舞する。とっておきの新しい褌を締めて、あの詔勅を聴く嗚呼。
敗れし夜 サザンクロスのうるみいし
*****************ここまで***********
引用元 ***「昭和万葉俳句前書集」 (高木 二朗発行)
終戦66年 過ぎし今 書き込む私も胸が痛みます、勝利を最後まで信じ祖国
の為、遠く離れた島島で思いもしない終戦、。戦争で亡くなられた方のご冥福
を祈り、戦争のむなしさを語り継ぐ思いです。 (合掌)
0 件のコメント:
コメントを投稿